横浜ジャズプロムナードへ行ってきた 2

昨日の続きを。

13:00 横浜球場方面へ

次の時間割の中では、きっと一番の見所は"酒井 俊 オーケストラ"とか"ココ・ジャオ Possicobilities"とかなんだろうけど、それぞれ場所が遠い。赤レンガに大桟橋・・・歩いて丁度良いのだろうが帰りもまた時間を食ってしまう。
コルトレーンの「アフリカ/ブラス」の再現にも惹かれるものがあるが、ランドマークホールと、これまたみなとみらいの駅から近そうで実際は上にあがるのが面倒だった気がする。
というわけでZAIMというよく分からない名前の建物を目指し歩くが、メディアセンターとほぼ目鼻。こんどは逆に時間の余る選択だが、一息つきたかった所でもあった。コンビニでコーヒー買って一服し、ブラブラ歩くと日本大通の道端でボーカル入りの普通のジャズが聞こえてくる。
こういう過ごしやすい気候のなか、街を散歩してて生演奏が聞こえてくるというのはなんとも気持ちの良いことである。街自体はとくに綺麗というほどでもないのだが、車が少ないのがいい。横浜という街は、ららぽーとだの、さいきんショッピングモールがあちこち出来たし、みなとみらいはあるし、で人が分散してるのだろう。関内とか伊勢佐木町のあたりはなんかいかにも地方都市の風情となっている。

13:20 ZAIMの中で座って待つ

けっきょくそのボーカル入りの街角ライブはとくに足止めるほどのものでもなく、"竹内 直 カルテット"をちと早いが座って待つ事に。
で、建物に入ったのだが、これは"ホール"とはなかなか言えないだろう。ちょっと大き目のレストランとかビアホールとかで見られそうな程度のステージが、部屋の角にしつらえてあり、観客席はスチールパイプの、プロレスラーがよく相手の頭をいちばん柔らかい部分で叩くのに使うような、あんな感じの椅子が並べてあるだけ。
また部屋の中央にはでかい柱があり、しかもステージ正面のいちばん特等席にそれはあって、しかたないので、柱を避けるように椅子を左右に振って並べてある。
うーむ。この会場は不評かもしれないな。それでもメインである関内ホールから近いところに場所を用意してくれた事のほうが、私は嬉しいので、まあOK。


で時間どおりに始まった演奏を聴いたのだが、結論をいえば、竹内直、最高。からだ揺れる揺れる。思わず帰りにCD買おうかと思ってしまいました。本人が直接売ってたし。
会場の欠点を補って余りあるというか、あの観客と近い会場だからこそ熱かったのかもしれない。これこそ私の求めるジャズであって、アフリカ/ブラスの再現よりもきっとこっちのほうがコルトレーンに近い、と思いたい。(向うは聴いてないので分からない。)
1曲目の途中から椅子を立って後ろのほうで立ってみたのだが、それでも充分近かったし、演奏の光景がよりよく見えて、立ち見が正解だった。私の場合、椅子に座ってる人たちみたいに音だけ聴いてその演奏力が分かるようなヒトではないので、演奏が見えるとより楽しめるのだ。せっかく女性ピアニストが出るのだからより良く見てみたいというのもあったけど。


竹内さんはサックスを中央に構え、軽い屈伸のような姿勢で熱いフレーズを繰り出す。ベースの荒巻茂生さんも汗かき系のどちらかというと熱さが伝わってくる演奏姿勢で、音のまとまりに最大限の配慮をしている感じ。ベーシストの熱い動きを見ているとこちらも熱くなる。
ピアノの清水絵理子さんは全体を引っ張ってくという感じではないが、荒巻さんとちゃんとコミュニケーションが取れていて予想以上に気負いのないプレイ。ハードな音のなかできとんとマッチする音を出していた。さすが。リッチーバイラークみたいなのが多いイメージがある女性ピアニストであるが、彼女みたいな存在は心強い。
ドラム、本田珠也さん。バックのなかでは、なんかこの人がいちばん凄かったな。ビートが力強い。モダンジャズからは、明らかにはみ出すような、強烈なアタック感のある演奏だった。彼の名前は憶えておかなければならない。